Chew-stick − かじる以上の効果 Margo DeMello, PhD ---------------------------------------------------------------------------- House Rabbit Societyの世話係として、私は飼っているウサギの里親を求める電話を しばしば受けます。はじめから本当にウサギを飼いたかったわけではなく飼い始めた というひとを除けば、ウサギを手放す第一の理由はウサギが家の中を滅茶苦茶にする と言うものでした。より一層がっかりさせられるのは、ウサギを室内で飼いたいとい う人からの電話で、その人たちの中にはすでにウサギを家の裏のウサギ小屋などで飼 っている人もいるのです。なぜウサギを家に入れないかと尋ねると、答えはいつも同 じです「今のウサギは家具をかじってしまうんです。かじらないウサギが欲しいんで す」。こういった電話は実に悲しいものです。こういった電話をしてくる人がウサギ に適切な環境を与えてさえいれば、そういった扱いを受けていたウサギたちの多くが 救われていたでしょう。適切な環境というのは、おもちゃを中心にした環境です。 なぜおもちゃが必要なのか。 ウサギにとっておもちゃは、適切な食餌、適切な住まい、十分な医学的な管理などに 加えて、必要なものです。なぜおもちゃがペットのウサギの生活の3つの基本的に重 要な点の鍵となるのでしょうか? 1. 精神的な刺激 一生懸命に何かをすることがなければ、あなたのウサギは退屈してしまうでしょう。 特に、そのウサギが一緒に遊べる人間以外の相手がいない場合には。ウサギがこのよ うに孤独を感じる場合、しばしば元気がなくなったり、物を壊したりします。高齢の ウサギや、からだに障害のあるウサギでさえ、寝たり食べたりする以外の何かを与え る必要があります。 2. からだの運動 ウサギは心の健康とからだの健康のために、安全に運動が出来ることが必要です。登 ったり、下に潜ったり、跳び乗ったり、跳び回ったり、掘ったり、噛んだりする物 が、ウサギには必要です。それらの欲求を満たすはけ口が無ければ、ウサギは太った り、元気がなくなったり、あるいは家の家具に飛びかかったり、かじったり、掘ろう としたりするかも知れません。私が面倒を見ていたウサギは、長い間ケージへの出入 りやケージ内の階の移動、屋外での運動を許されているものでは窓からの出入りに敷 物をひいた傾斜を利用してきました。最近湖のウサギたちに子ども用の遊具を与えま した。これには傾斜路(実際は滑り台ですが)がついていて、ウサギたちにとっては これは登るためのものでしかなく、この特別の遊びを大変楽しんでいました。 3. 家をウサギに適したように改造する おもちゃはウサギのためだけにあるのではありません。それがあることで家が守られ ます。ウサギの年齢や性別、好みに応じたおもちゃを与えることで、ウサギに対応し た改造の目的の大部分は達成されたも同然です。ウサギが家の中を壊して困るという 相談を受けると、私はいつもその人たちが家をウサギに適したようになにか改造をし ているかどうか尋ねます。多くの人が電話のコードや電気コードにカバーをし、有毒 な植物を置かないようにするなど、多くの努力をしてはいますが、安全なかじる物や 掘る場所を用意している人はいません。それでは家の中のものをかじられないように するには十分ではありません。代わりの安全なおもちゃを用意する必要があります。 それを用意しなければ、ウサギの欲求は満たされません。 おもちゃが万能薬では無いと言うことも重要な点です。ケージから外に出してもらえ ないウサギや、気に留めてもらえないウサギ、ウサギの仲間を欲しがっているウサギ など、欲求でストレスを感じているウサギは物を壊したりするようになります。運動 や、他の動物などへの触れ合い、おもちゃなど、ウサギを元気づけるような物を様々 用意してあげて下さい。 どのようなおもちゃを選べばよいか 猫に新しいおもちゃを買って与えたことがあれば、包みをはがし(価格札を取り)、 猫に与えた時に、その新しいボール、あるいはトンネル、ネズミの人形、釣竿などで 遊ぶよりもおしっこをかけられたりすれば、受け入れられなかったことによるストレ スを感じるでしょう。ウサギはそれぞれに異なり、すべてのウサギが同じおもちゃを 好むことはなく、またおもちゃの使い方もそれぞれのウサギによって異なります。ウ サギのおもちゃは非常に手の込んだものからごく単純なものまで考えられますが、価 格もただ同然から数百ドルまでかかることもあり得ます。幸いウサギはあなたが子ど もの学債をおもちゃ用に使おうと、廃材や段ボール、紙などでおもちゃを自作しよう と気にしません。ウサギは自分の欲しいおもちゃがどんなものか、自ら語ってくれま す。あるウサギは安楽椅子の詰め物の下に潜るのが好きかも知れません。またあるウ サギは机の上に登ってプリンターのまわりを探るのが好きかも知れません。絨毯の角 を一生懸命掘ろうとするのが好きなウサギもいます。思うがままに階段を上ったり降 りたりするものもいます。朝ケージからウサギを出すとすぐに冷蔵庫やソファーへ飛 んでいって、前日やり残した「改装作業」を始めることもあるでしょう。HRSの里親 のHolly O'Mearaは多くのウサギが元来研究用であり、そのウサギたちは長時間身も 心も没頭して行うかどうかという活動面での関心が持たれていただけだと述べていま す。何日も、あるいは何週間もかかって建築や内装の仕事をやり遂げることはウサギ にとって大変満足できることではないかと想像できます。これらのすべての習性は異 なった種類のおもちゃの必要性を示します。 しつけられていないウサギや若いウサギに数多くのおもちゃを与えたからと言って、 8時間もウサギを構わずにいてアパートの自室を被害無くすませられる訳ではありま せん。あまり早い時期にウサギに自由な時間を与えすぎないで下さい。ウサギのた め、またウサギの個性も考えて、あなたとウサギにとって適したようにウサギを徐々 に自由にして行く予定を立てて下さい。雄ウサギは成長するにつれ、また去勢を受け た後にはしつけをあまりする必要も無く、長時間室内にひとりで放しておくことも出 来るでしょう。しかし、あまり急いではいけません。 おもちゃと気質 ウサギの行動それぞれに応じたいくつかのアイデアがあります。ウサギの行動は、は け口が必要となる元来持っている習性なのです。安全で破壊的でない機会を与えるこ とで、ウサギに即席に作られたおもちゃを与えるべきではないことがわかるでしょ う。 ウサギは穴を掘る動物で、新しいトンネルを掘ったり、掘ってあるトンネルの先をさ らに掘ることを楽しんでいます。建築資材店(あるいは知り合いの建設業者)から厚 紙製のコンクリートの型枠を入手できるでしょう。これは安価で噛んでも安全なトン ネルの材料としてすばらしいものです。一方の端に新聞紙を詰め込み、さらに掘ろう とする作業を増やしてあげることも出来ます。トンネルを掘るより、中で寝ることが 好きなうさぎには、ナイロンや人工の羊皮でできた猫用のトンネルを与えても良いで しょう。これはとても心地よく、私が室内で飼っている3匹のウサギたちがいつも私 のすべてのトンネルを占拠しています。両側あるいは片側だけに入り口を開けた、長 くて狭い厚紙の箱を与えても良いでしょう。ソファーと壁の間に隙間を作って、 Phoebeがちょうど通れる程度のトンネルを作ってあげることもできます。 トンネルを掘ること以外に、どこでも掘ることが好きです。トンネルの突き当たりを 掘るのが好きなウサギもいます。できるところならどこでもかまわず掘るウサギもい ます。ひどく掘ることが好きなウサギにとってはその欲求を満たすものが必要です。 幸いなことにこれを用意してあげることは難しいことではありません。ボール紙の 箱、大きなトイレの容器や洗いおけ、柳細工の篭などを、干し草や新聞紙、雑誌、い らない手紙など危険の無いものを切り刻んだもので一杯にそろことで、この用途に使 えます。もしウサギが絨毯の特定の場所を掘りたがるようなら、その場所に家具やい らない絨毯、人工芝のマットなどを置いても良いでしょう。しかし、掘るための箱を 必ず代わりに与えて下さい。 Zippyは壁紙や石版を剥がしますか?ものをずたずたにするのが好きなウサギには紙製 品をたくさん与えなければなりません。町の電話帳はこの目的には大変良いものの一 つです。切り刻んだ紙の大半を食べてしまうことがなければ、電話帳を切り刻むこと はウサギにとって危険なものではありません。 あなたの家や財産にとっては危険な ものですが。ウサギに電話帳をそのまま与えたり、箱や篭に他の切り刻めるものと一 緒に入れて与えます。他の多くのウサギの行動と同様に、ウサギのものを切り刻む行 為はたいへん散らかります。そのため、箱の中でやらせることで家の中を多少はきれ いに保つことが出来ます。小ぼうきや大きなほうき(プラスチックではなくわらでで きたもの)もまた切り刻むためのおもちゃとして適しています。 気の強いウサギも穏やかなウサギも、どのようなウサギでもものを放るのが好きで す。赤ん坊用のおもちゃや鍵、batta balls、slinkies などは放り投げて遊ぶための ものに適し、放っていた食器やトイレ容器の代わりになります。この目的に使うもの は必ず頑丈なプラスチックや金属で出来たものにして、食べてしまうことのないもの にして下さい。あなたが相手をしてあげれば、投げ合いをするウサギもいます。 社交的で無茶をしがちなウサギは家具などに登るのが好きで、ウサギは地面の上にい るのが最も安心だという一般論に挑戦します。登山家のようにそのようなウサギは登 ることのスリルと上からの眺めのどちらも堪能します。そこを固定したいくつかの箱 を用意し、ウサギが一段一段安全に登れるようにします。市販の猫が登るための用具 もウサギに用いることが出来ます。それには段々に止まる場所がしつらえてありま す。その小さな探検家が一番上まで登るのを補助するために、傾斜路を設けても良い でしょう(例えばケージに絨毯をかけたようなもの)。あるいは、傾斜路ととまり木 を組み合わせても良いでしょう。また、木材やボール紙(壊れるまでの一時的なもの として)で家を作っても良いでしょう。壁には外を覗くための穴を開け、床からの傾 斜路をつけ、屋上には眺めの良い「サンデッキ」を作ります。 ウサギを管理している人にとってかじることが一番の問題でしょう。ウサギはからだ の面からも心理的な面からもかじる必要があります。柳の篭、毒性のない丸太や棒き れ、ボール紙、紙、藁、まつかさなどはこの目的に適しています。Potatoがソファー の裏側をかじって穴を開けるのが好きなようなら、段ボールの箱に紙か藁をいっぱい に詰め、一カ所にかじり始めの小さな穴を開けたものを与えて十分にかじらせて下さ い。想像力を働かせてください。薬品で処理をされていない柳の箱や、段ボールの箱 を用意し、大きさ、形、風合いが様々に異なる木や松かさ、段ボールの筒、その他安 全なものを一杯にします。 ただかじるための棒を与えるだけではいけません。ペットショップで売られているオ レンジと緑のおかしな棒を買って、新しく飼ったウサギに与える人がいます。幅木の 上でThumperがほとんどにおいをかぐことをせずにそれをかじり始めるのを見て驚く でことしょう。特に若いウサギやかじることに熱心なウサギにとって、かじるための 楽しいおもちゃをたくさん与える必要があります(オレンジ色に塗られ、ニンジンの 形をしていても、人工の棒ではいけません)。たくさんのおもちゃを様々な種類用意 してあげる方がよいでしょう。棒や木の枝、角材の切れ端などだけしか与えられてい ないウサギは退屈するでしょう。退屈して、悪戯をするようになります。 絨毯や枕、タオルなどを集めるのが好きなウサギもいます。もしあなたのウサギがベ ッドの上で満足するまでずっとシーツを押したり引っ張ったりしているなら、ウサギ 用にタオルを与えれば、それを床の上で集めて遊ぶでしょう。この目的には古いハン ドタオルが良いでしょう。できれば毛玉の少ないものを用いて下さい。より費用はか かりますが、枕のようなものでも良いでしょう。タオルを実際に食べてしまわないよ うに気をつけてください。食べてしまった場合には、危険なこともあります。噛んだ り、押したり、集めたり、引っ張ったりするだけにしてください。 ものに突進したり、うなったり、威嚇したり、鼻を鳴らしたり、喧嘩をする攻撃的な ようなウサギは、その攻撃性を発散させるおもちゃを好みます。一部を動かないよう に固定し、叩いたりしたときには十分な弾力性があるものが好まれます。オウム用の 吊りさげるタイプのおもちゃ(プラスチックで作られている小鳥用のものでは簡単に かじられてしまうので好ましくありません)、赤ちゃん用の吊りさげるタイプのおも ちゃ(動きのあるものが最も適しています)、プラスチック製のrainbow slinkiesを ケージの一番上にとりつけておくのも良いでしょう。これらのすべてが活発なウサギ に適切な欲求のはけ口を与えます。 ボールで遊ぶのが好きなウサギもいます。大きなゴム製のボールが最も適していま す。ドラッグストア、ディスカウントストアなどで篭に入って売られています。ウサ ギに風船をあてがう人もいますが、風船は大変危険です。風船が割れたときに大きな 音がしますし、小さな破片となって危険です。 おもちゃは常にたくさん用意して下さい。少なすぎてはいけません。ウサギに適切な 活動の機会を与え、ウサギが満喫できるようなものを工夫して下さい。それはウサギ にとってもあなたにとっても楽しいことになるでしょう。遊びを考えることもまた楽 しいものです。 ---------------------------------------------------------------------------- House Rabbit Society は非営利の保護教育活動を行う団体です。主旨に賛同し、こ こにある情報を有益なものと感じられた方は是非寄付にご協力下さい。 30-Jan-97 Paige K. Parsonsにより改訂 ---------------------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------------------ Tetsuro Oka, 岡 哲郎, 哲☆ okatetsu@leo.bekkoame.or.jp / gbg00613@niftyserve.or.jp Exotic Pet Guide: http://www.bekkoame.or.jp/‾okatetsu Exotic Pet Clinic: http://www.bekkoame.or.jp/‾okatetsu/clinic.html ------------------------------------------------------------------