赤色尿:血液か植物の色素か? Sandi Ackerman in consultation with Barbara Deeb, DVM, MS 赤色尿は一年中どの時期にも見られますが、特に冬のホリデーの時期に多く報告され ます。この時期にはHRSには、ひどく取り乱したうさぎの飼い主から飼っているウサ ギが血尿をしたというおびただしい数の電話がかかってきます。多くの場合彼らが考 えているような状態ではありませんが、心配するのは理解できます。この様な状態に 関する情報は広く知られてはいないからです。 HarknessとWagnerによるThe Biology and Medicine of Rabbits and Rodentsにこの 問題に関する記載があります。 「血尿はウサギや齧歯類では珍しく、多くの場合、血尿と思われるのはポルフィリン 色素を原因とする場合、あるいは子宮腺癌やポリープ、流産などに関連して膣から排 泄される血様の滲出物のどちらかです。濃く白い尿に赤みがかったオレンジ色が混ざ って見られる場合、食物中のカルシウムが多すぎることも考えられます。」 ウサギの血尿は稀ですが、赤い尿は良く見られます。ウサギと一緒に室内で暮らして いる人は、このような尿をよくみるでしょう。Lieve OkermanによるDiseases of Domestic Rabbits (1988)にはこの件に関して2つの項目で触れられています。 「ウサギの尿が赤くなることはしばしば起こり得ます。これは植物の色素に由来し、 ウサギの健康に害を及ぼすことはありません。」 Lieve Okermanの著書の改訂版は1994年1月に出版される予定です。 赤色尿とは、通常の淡い黄色から濃い黄色、ニンジンのようなオレンジ色、茶色、明 るい赤と言った変化をするウサギの尿の色の状態を示しているものです。赤色尿と言 うのはそれだけでは疾患というわけではありません。1ー3日で通常色は戻りますが、 私は以前2頭のウサギでもとの淡い黄色の尿に戻るのに3ー4週間かかったことを経験し ています。白い尿は食餌に含まれるカルシウムの量が多すぎることが考えられます。 白い尿が何日も続くようなら、ウサギの餌について獣医師と相談した方がよいでしょ う。濃い色の尿は熱暑のストレスや脱水を原因とすることもあり、この場合には補液 が必要となります。 同じ餌を食べ、同じ水を飲み、おなじおあやつを与えていても、尿が赤くなるものも いればならないものもいる理由は明らかではありません。 尿へ色素が排泄されて赤くなることは、以下のようなどれを原因としても起こりま す。 * 抗生物質の投与中 * 秋の最初の寒波の時期 * モミの葉を食べた時 * ニンジン、ホウレンソウ、その他ベータカロチンを含むものを食べた時 飼っているウサギの尿の色に変化があっても慌てることはありません。しかし、泌尿 器のどこかにの傷害を原因とする血尿も起こり得ます。不妊手術を行っていない雌の ウサギでは陰部から血様の排泄物や排尿の後に少量の血液を見るかも知れません。こ れを尿と混同することがあります。これはいずれも子宮癌の徴候の可能性がありま す。去勢を行っていない雄のウサギでは、生殖器の癌や外傷により尿に血液が混ずる こともあります。 血尿 赤い尿を認めたとき、まず膀胱や尿道の感染を疑います。しかし、実際に尿に血液が 混ざっているかどうかを肉眼的に確認することは通常容易ではありません。腎疾患で は排尿時の緊張は見られませんが、膀胱疾患には最も良く見られる徴候です。このよ うなウサギは排尿時に異様な姿勢が見られます。ウサギは後ろ足の爪先で立つように していつもより長く座り、尾を高く持ち上げます。トイレをすぐに取り替えて、ウサ ギが実際に排尿しているか確認して下さい。頻繁に尿意を催すために、尿は一度に数 滴しか出ていないかも知れません。もし尿が出ているようなら、かかりつけの獣医師 の病院が開く朝まで待っても良いかも知れません。排尿がなければ、閉塞が起こって いるかも知れず、救急動物病院へ連れて行くべきです。 排尿が困難な場合には尿検査が必要です。排尿困難に伴って血尿が見られるようであ れば、膀胱疾患が疑われ、さらに追加検査が求められます。例えば、レントゲン検 査、尿培養、血液検査など。認められた徴候を判断する際には、他の動物と比べてウ サギの解剖学的、生化学的な特徴が異なることを知った上で行わなければなりませ ん。 赤い尿が見られても、それが色素によるものであれば、ウサギを動物病院へ連れて行 く必要はありません。ではどのような時に病院へ行くべきでしょうか? 尿が赤やピン クになっていて(オレンジ色なら大丈夫です)他に症状がなければ、動物病院が開く 時間まで待ってから受診して尿検査をしてもらえば良いでしょう。排尿時に緊張が見 られるにも関わらず、排尿がなければ、できるだけすぐに動物病院へ行って下さい。 救急動物病院の獣医師は診察をして、あなたのウサギ閉塞を生じ、排尿が出来なくな っているかどうかみてくれるでしょう。閉塞を起こしていなければ、翌日まで待っ て、かかりつけの獣医師を受診して、さらに検査が必要か、外科的な処置が必要か判 断してもらって下さい。 参考文献 Harkness, J.E., Wagner, J.E.: The Biology and Medicine of Rabbits and Rodents. 3rd Edition. Philadelphia: Lea & Febiger, 1989. Okerman, L.: Diseases of Domestic Rabbits. Cambridge: Blackwell Scientific Publications, 1988. ---------------------------------------------------------------------------- House Rabbit Society は非営利の保護教育活動を行う団体です。主旨に賛同し、こ こにある情報を有益なものと感じられた方は是非寄付にご協力下さい。 6-Feb-97 Paige K. Parsonsにより改訂